2010/5/31

アイアンマン・ジャパン中止は、
適切な判断

5月31日(月)

アイアンマン・ジャパンの中止が正式に発表され、残念な結果になりました。中尾大会実行委員長も苦渋の判断であったと述べているとおり、すべての関係者が苦痛の思いでしょう。
今回、口蹄疫の問題で大会開催が危ぶまれると聞いたとき、思い出しました。
今から十数年前に、薬害エイズ事件がおこりました。原因は、HIVウィルスに汚染された血液製剤が流通し、それを投与された患者がHIV感染、エイズを発症、多数の死者を出した事件です。国が製薬会社に適切な指導を怠ったため、エイズの感染はさらに拡大してしまいました。ウィルス感染に対する認識が甘かったからです。私も当時の裁判で傍聴の席に座ったことがあります。生活、人生が一瞬で破壊された原告(患者)の訴えは悲痛でした。判決は、原告の勝訴となり、和解が成立。当時の責任者は有罪となりました。
ウィルス感染
に対する行政の姿勢が問題視され、行政側もきちんとした対策を講じるようになったのはこの頃からだったと思います。
ウィルスは目に見えないものであるだけに、とても恐ろしいものだと知りました。ウイルス感染に対する意識がここまで敏感になっているのは、過去に様々な感染症にかかり、今なお苦しんでいる人や死に至った人たちが数多く存在するからでしょう。私も病院に勤めてから、ウイルス感染の恐ろしさを目の当たりにした経験があります。 院内感染です。しかも、昨年は鳥インフルエンザで殺傷された大量の死骸が私の職場に埋められました。それはもう残酷な光景でした。1羽でも感染していれば、感染されていないものまで殺すのですから。
しかし、感染を絶つにはどこかで、線を引かなくては、感情が入っては駄目です
もし、今回地元の意見より選手の感情が優先され、開催後に感染が起きたとしたら、どうなるか?一機に2000人以上の人間が押し寄せるのですから、危機感を感じるのは当然でしょう。私達は無事に行って、帰って来ればすみますが、「残された島民の方々の生活はどうなってしまうのか」を考えると、今回の大会中止の判断は適切だったと思います。もし、悲惨な事態になったときには、来年以降のアイアンマン開催は受け入れてもらえないでしょう。
とても残念な結果ですが、こうなった以上、9年間アイアンマンを歓迎してくれた、五島の皆さんに「10回記念の今年」は、私達が恩返しする番です。そうすれば、きっと来年は今まで以上の歓迎とレースでの盛大な応援で私達を待っていてくれるでしょう。今は、五島の皆さんが、平穏な暮らしに早く戻れるように、祈るばかりです。頑張ってください!!私達のできることはこれぐらいでしょうか。

さて、私達選手は気持ちを切らさずに、次に向けて頑張っていかなければ!!こういう時に「本当の強さ」が試されますね。
次は、蒲郡?大井川?検討ですね。
明日からのトレーニングのために、今日は、身体のケアと睡眠です!!

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